電気の発展に貢献したカエルとシビレエイ
『電気おじさん』です。
今では当たり前に使っている電池ですが、この電池の発明にカエル君とシビレエイ君が貢献していたことを知っていますか?
電池の発明に動物が関わっているなんて不思議ですよね?
本日の記事はそんな電池の発明、電気の発展に貢献したカエル君とシビレエイ君のお話をします。
カエルの脚(あし)が電気を発生する?
18世紀頃の話になります。電気といえば、まだ静電気(せいでんき)や雷くらいしか知られていなかった頃です。イタリアの解剖学者ルイージ・ガルバーニは、解剖したカエルの背骨の神経と脚に2種類の金属を触れさせると、脚が痙攣(けいれん)することを発見しました。ガルバーニはこれを動物が生み出す電気と考え、「動物電気」の発見と考えました。
Luigi Galvani - David Ames Wells, The science of common things: a familiar explanation of the first principles of physical science. For schools, families, and young students. Publisher Ivison, Phinney, Blakeman, 1859, 323 pages (<a rel="nofollow" class="external text" href="https://books.google.co.uk/books?id=ajQAAAAAYAAJ&dq=Galvani%20frog%20leg&pg=PA290#v=onepage&q=Galvani%20frog%20leg&f=false">page 290</a>), パブリック・ドメイン, リンクによる
電気はどんな味?
ガルバーニの発見に強い関心をもったのがイタリアの物理学者アレッサンドロ・ボルタでした。いろいろな実験をしていく中でガルバーニが発見した「動物電気」の存在に疑いを持ち始めます。
ボルタが行った有名な実験は、舌(した)の上面にスズの金属を、舌の下面に銀の金属を当て銅線でつなぐというものでした。
そうすると酸(さん)の味(すっぱい)がしたり、逆に上面に銀を下面にスズを当てるとアルカリの味(にがい)がすることがわかりました。
この発見からより、電気の発生は動物に由来(ゆらい)するものではなく、異なった金属の接触により電気が発生したものと考えました。カエルの脚がなくても、金属があれば電気は発生すると考えたのです。
歴史的な大発明!ボルタの電池
2種類の金属間に発生する電気を証明するため、ボルタは何枚もの金属の円盤を積み重ね、塩水で湿らせた布の層を間にはさんだハンバーガー状の装置を開発し、電気を発生させることに成功しました。これを「ボルタの電堆(でんたい)」といいます。
この装置は、海底にすむ「シビレエイ」の体の仕組みをヒントにして発明されました。
獲物(えもの)や敵(てき)を感電・マヒさせる力をもつシビレエイの発電器官(はつでんきかん)は、結合組織(けつごうそしき)で仕切られたいくつもの小さな板が積み重なっており、ボルタはこの構造を真似たといわれています。
<a rel="nofollow" class="external text" href="https://www.flickr.com/photos/37071060@N06">Philippe Guillaume</a> - originally posted to <a href="//commons.wikimedia.org/wiki/Flickr" class="mw-redirect" title="Flickr">Flickr</a> as <a rel="nofollow" class="external text" href="https://www.flickr.com/photos/37071060@N06/3896005693">fear me</a>, CC 表示 2.0, リンクによる
また、ボルタは電堆に使用する塩水を希硫酸(きりゅうさん)に変え大量の電流を持続的(じぞくてき)に取り出せる「ボルタの電池」も考案しました。
この発明により電気の研究は飛躍的(ひやくてき)に進みました。その後の電動機・電灯・発信機・ラジオ・乾電池などの発明へとつながりました。この功績(こうせき)からボルタは電気学の始祖と呼ばれ、電圧の単位も「ボルト」と呼ばれるようになりました。
どうでしたか?
電気の発展、電池の発明に貢献したカエル君とシビレエイ君のお話でした。
『電気おじさん』でした。