電気の絶縁とは?
『電気おじさん』です。
電気は私たちの生活になくてはならないものになりました。
ところで電化製品を日常で使う際に「感電した!」ということはほとんど聞きません。
洗濯機や冷蔵庫、扇風機など電気が流れるコードを使用することで電化製品を使うことができますが、使用中は本体やコードを触っても感電しません。電気が流れているはずなのに・・・
そうです。これが電気を絶縁しているということです。
「電気の流れにくいもので電気の流れやすいものを覆うことで、人が触れても感電しない、電路同士が近づいても短絡しない」状態を作っているのです。
本日は電気の絶縁についてお話しします。
1.導体と絶縁体
電気の流れにくいものを「絶縁体」「絶縁物」と呼び電気の流れやすいものを「導体」と呼びます。
・絶縁体の例
天然ゴム、ポリ塩化ビニル、紙、油、ガラス、磁器など
・導体の例
金、銀、銅、鉄、アルミニウムなどの金属、炭素など
なお、これらはものは全て同じ電気の通しやすさや通しにくさでありません。
銀が銅より電気を通しやすい(流れやすい)です。絶縁物についても同様に電気が流れにくい(流れにくい)程度が違います。
銀は銅より電気を通しやすいからといって普通の配線に使う分けには行きません。銅より銀は高価ですから・・・
一般的な配線用のケーブルには導体に銅、絶縁体に塩化ビニルを使用しています。
電気設備や電気機器などは、このような導体と絶縁体を上手に組み合わせて、安全に使用できるように工夫されています。
2.絶縁劣化
電気を使用するうえで欠かせない絶縁体ですが、次のような要因で劣化していき、徐々に電気を通しやすくなっていってしまいます。いつまでも安全とは言えません。
このことを「絶縁劣化」といいます。
1.温度、湿度、紫外線などの環境的要因
2.過電流などの電気的要因(限度を超えた高い電圧で絶縁性を失い大電流が流れる状態「絶縁破壊」という)
3.振動、衝撃などの機械的要因
4.過熱などの熱的要因
従って、常日頃から絶縁体の状態確認は重要です。身近な電化製品のケーブルやプラグ、プラグ差し込口に異常が無いか確認しましょう。ケーブルは踏み潰しや折り曲げによって絶縁が低下する恐れがあります。また、長期間の過酷な環境(水濡れ、直射日光など)で使用されている製品は特に注意が必要です。
3.絶縁抵抗
電気の流れにくさを「電気抵抗」と呼びΩ(オーム)という単位で表しますが、絶縁に関する抵抗を「絶縁抵抗」と呼びます。「電気抵抗」と「絶縁抵抗」の違いですが「電気抵抗」は電気を流してもいい抵抗、「絶縁抵抗」は電気を流してはいけない抵抗と考えればいいと思います。通常絶縁抵抗にはMΩ(メガオーム・メグオーム、1MΩ=1,000,000Ω)という単位が使われます。
この絶縁抵抗を測る測定器を「絶縁抵抗計」といいます。上記の写真の測定器です。絶縁抵抗計は、電気の流れてはいけない2点間(電動工具のプラグと外箱、分電盤内の任意の相と接地線など)に一定の電圧をかけ、電流を測定して抵抗で表示するものです。
絶縁が劣化していなければ電流は流れず、抵抗値は大きなものになります。逆に小さな値になると絶縁劣化してどこかに漏れている状態になり危険な状態になります。
判断基準は次のとおりです。
・300V以下で対地電圧が150V以下の場合は「0.1MΩ以上」
・300V以下で対地電圧が上記以外の場合は「0.2MΩ以上」
・300Vを超えるもの「0.4MΩ以上」
電気の絶縁についてお話ししました。
電気を安全に使いましょう(^_^)
お読みいただきありがとうございますm(_ _)m
『電気おじさん』でした。